年末年始は忘年会やお正月準備のお買いもの、初詣に新年会、各パーティーにと
おしゃれにきものを楽しめる時期ですね。
第18回はおしゃれで奥深いきものの世界を気軽に楽しんでいただきたく、
普段着きものの代表、「小紋」のお話をいたしましょう。
「小紋」とは一方方向に型染めを繰り返した染めきもののことを言います。
本来、きものはちりめんや綸子などの白生地を、反物で染め上げた一枚の生地から
仕立てます。 一方方向に染めた柄では、出来上がりの柄の向きが上下ばらばらに
なります。
柄の向きが必ず上を向いていない染めきものが「小紋」です。
「小紋」という名前から、小さい模様のきものを指すと思われがちですが、
模様の大小にかかわらず染め方によって「小紋」と呼びます。
小紋を着るシーンはさまざまで、帯とのコーディネートや模様によって
着こなすことが出来、おしゃれの幅がグンと広がります。
みなさんがよく悩まれるきものの格では、「やわらか物」として、入学・卒業式から
ちょっとしたお出掛けまで対応できます。
きものの格の基本は表で覚えましょう。
格
|
きもの | 帯 |
上 下 |
やわらか物 留袖 (染めきもの) 訪問着 附下 小紋 かた物 御召 (織りきもの) 紬 木綿 |
丸帯 袋帯 名古屋帯 九寸 八寸 半幅 小袋 単 |
コディネートは上記の基本をふまえた上で、お出掛けの場所やお集まりによって選ぶとよいでしょう。
普段のおでかけ、観劇、お買いもの、お食事会には小紋に名古屋帯の基本的なコーディネートで楽しみましょう。
シーン別コーディネート例
◆ホテルでの忘年会や新年会、パーティーなど
華やかな模様やモダンな模様の小紋に袋帯や九寸名古屋帯を合わせて。
訪問着感覚の華やかな小紋に格調ある袋帯を合わせると少し気のはる席にも
◆お友達など、気のおけない仲間とのお食事会など
季節を感じる模様やモダンな模様の小紋に名古屋帯やしゃれ袋を合わせて。
パーソナルのイメージを大切に現代的なおしゃれを
◆観劇やコンサートなど
古典的な模様や飛び柄などの小紋に袋帯や九寸名古屋帯を合わせて。
正統派でありながら気軽な雰囲気に
◆保護者会など
やさしい色合いの小柄小紋に染め名古屋帯を合わせて。
清楚で上品な雰囲気に
◆お稽古やショッピングなど
縞や水玉模様、小花などの小紋に染め・織の名古屋帯を合わせて。
カジュアルで可愛い小紋は気軽に楽しめます
半幅小袋帯を変わり結びにして合わせると、着ていて楽なうえにこなれた上級者の装いになります。
小紋は上品なもの、可愛いもの、モダンなもの、華やかなものと、その趣は多様です。
それに帯、帯揚げ、帯締、半襟などで幅広いおしゃれが無限に広がります。難しく考えずに色、柄はあなたのセンスで自由に組み合わせてください。
お値段もお手頃で、若い方にも手の届くものがたくさんあります。
小紋は初心者から上級者まで楽しんでいただきたいアイテムです。
この冬はぜひ小紋でカジュアルきもののおしゃれに挑戦してください。